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協定世界時

高

よみ方

きょうていせかいじ

英 語

coordinated universal time (UTC)

説 明

国際原子時(TAI)において24時間(86400秒)で定義された1日と、地球の自転から決まる1日(平均太陽日)とのあいだには僅かながら違いがある。
このため、国際原子時(TAI)をもとに、ずれを調整した時刻系である協定世界時が定められ、現在の標準的な時刻系すなわち時刻標準として用いられている。1972年以降は秒の長さを1原子秒に固定し、世界時 UT1とのずれを0.9秒以内に保つようにうるう秒を追加または削除することにより修正する方式が用いられている。つまり、TAI=UTC+整数秒であり、|UT1-UTC|<0.9秒となる。この管理は国際度量衡局(BIPM)が国際地球回転・基準系事業(IERS)と協力して担当している。
日本の標準時である中央標準時は協定世界時+9時間である。

なお、2022年11月18日、第27回国際度量衡総会において、2035年までにUT1-UTCの許容値を0.9秒から引き上げることが決議された。

2022年11月22日更新

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    うるう秒
    * 協定世界時(UTC)と国際原子時(TAI)の差。うるう秒による調整が行われるようになった1972年からは、うるう秒の挿入記録でもある。
    岡村定矩「時と暦」、シリーズ現代の天文学第1巻、岡村・池内・海部・佐藤・永原編『人類の住む宇宙』第2版 7章 図7.6 (日本評論社)