天文学辞典 | 天文用語をわかりやすく解説

スーパーローテーション

高

よみ方

すーぱーろーてーしょん

英 語

superrotation

説 明

金星の自転は遅く(周期は243日)、赤道での自転速度は1.6\,{\rm m\,s}^{-1}であるが、上空の大気は100\,{\rm m\,s}^{-1}で自転と同じ方向に運動していて4日で金星を一周する。これを「スーパーローテーション(超回転)」と呼ぶ。1974年にアメリカ航空宇宙局(NASA)のマリナー10号が雲の撮像からスーパーローテーションを発見した。金星と同様に、土星の衛星タイタンでも、上空の大気は自転速度の10倍で運動していることが明らかになっている。自転の角運動量の輸送機構については、緯度方向に熱を輸送するハドレー循環と水平方向に伝搬する波の組み合わせ、太陽光による加熱による熱潮汐波の鉛直方向への伝搬、低高度で励起された大気重力波の伝搬などの説があるが、まだ解明されていない。また、木星や土星では赤道付近に自転を追い越す方向の強い西風が吹いていて(それぞれ100\,{\rm m\,s}^{-1}, 500\,{\rm m\,s}^{-1})、これもスーパーローテーションと呼ぶことがある。あかつき探査機の観測から金星にもこの赤道ジェットと呼ばれる流れがあることが明らかになっている。

2018年03月24日更新

関連画像

パイオニアビーナス探査機が1979年に撮像した4日間の金星の雲の変動(スーパーローテーション)(NASA)。雲は濃硫酸でできている。