天文学辞典 | 天文、宇宙、天体に関する用語を3000語以上収録。専門家がわかりやすく解説します。

星生成

 

よみ方

ほしせいせい

英 語

star formation

説 明

星間物質から星が作られる現象を総称して星生成あるいは星形成という。素過程としての星生成は、低温な星間物質中に含まれる分子雲コアが自己重力によって収縮し星に至る現象として理解できる。分子雲コアも星もガスからなる系という点では共通しているが、星は、自己重力を圧力勾配で支えている系であることと、電磁波に対して不透明であるため短い時間スケールでは断熱的に振る舞うという点が、分子雲コアとは本質的に異なる。分子雲コアは、収縮によって発生する圧縮仕事を速やかに放射で外に逃がすため、広い密度範囲で等温的に振る舞う。このため星生成を起こす重力収縮は動的なもので、自由落下時間程度で進展する。
「星生成」と「星形成」は同じ意味で用いられる。「星生成率」「星形成率」などの複合語でも両方が併用されている。素過程に重点をおくことが多い天の川銀河銀河系)内の星形成の研究分野では「星形成」が、一つの銀河全体の星生成率や宇宙の星生成率密度などの研究分野では「星生成」が用いられる傾向がある。

2019年09月30日更新

関連画像

分子雲からTタウリ型星までの進化の様子。
大西利和「分子雲から分子雲コアへ」、シリーズ現代の天文学第6巻、福井・犬塚・大西・中井・舞原・水野編『星間物質と星形成』9.1節 図9.1(日本評論社)