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フレア

中

よみ方

ふれあ

英 語

solar flare

説 明

太陽外層大気において発生する現象で、数分から数時間という時間に1029 ergから1032 ergもの巨大な磁気エネルギーが熱エネルギー、運動エネルギー、粒子加速エネルギーなどに変換される。これと同じ現象で、より解放エネルギーの小さい1026 erg 程度までのものをマイクロフレアと呼ぶ。通常フレアは活動領域内で発生し、それに伴ってさまざまな波長で増光現象が観測される。太陽フレアは1859年に英国のキャリントン(R. C. Carrington)により白色光の増光として初めて観測された。 フレアはコロナ中に蓄積された磁場のエネルギーが磁気リコネクションにより解放される現象である。コロナではプラズマが107度に加熱されて軟X線波長(2-100Å)で顕著な増光が観測され、また彩層ではコロナ中で発生したフレアのエネルギーが熱伝導もしくは加速粒子という形で磁力線に沿って流れ込み、水素のH𝛂線で明るく輝く。フレアの初期には、電子が10 keVから1 MeV程度まで加速され、硬X線マイクロ波ガンマ線がさまざまな過程により放射される。また、高エネルギー電子がコロナ中を移動することでメートル波帯で電波バーストが観測される。フレアで解放されるエネルギーの大半はフレアループ上空に放出されるプラズマ雲(プラズモイド)の運動エネルギーに転換され、他の形態のエネルギーは10%程度である。 フレアの規模は、H𝛂線で明るくなったフレア領域の面積と明るさで分類されるほか、米国GOES衛星により観測される軟X線の放射エネルギー流束(フラックス)の最大値が使われている(GOES X線クラス)。大型のフレアは、地球近傍の宇宙環境(宇宙天気)に大きな環境変動を引き起こし、その結果として人間の社会基盤に悪影響をおよぼすことがある。 太陽と同様に活発な磁気活動を示す恒星には、その表面でフレア活動(恒星フレア)を示すものがあり、フレア星と呼ばれる。


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https://youtu.be/L4C2bP826cs

2018年08月30日更新

関連画像

太陽観測衛星Solar Dynamics Observatoryによるフレア画像(NASA/SDO/Goddard)。
(クレジット:NASA)
https://www.nasa.gov/feature/goddard/2017/active-region-on-sun-continues-to-emit-solar-flares