天文学辞典 | 天文用語をわかりやすく解説

いて座A

高

よみ方

いてざえー

英 語

Sagittarius A(Sgr A)

説 明

天の川銀河の中心に対応する電波天体。地球から見ていて座の方向に見える、初期の電波観測ではいて座で最も強い電波源であったため、この名で呼ばれるようになった。分解能が高い観測が行われるようになると、電波放射の特徴および形態から3つの部分に分けられるようになり、今では、電波アークとアーチ状フィラメントとを除いた銀河中心を含む部分だけをいて座Aと呼ぶ。そこにある直径3分角ほどの環状の電波源は超新星残骸、その西寄りにある点状電波源いて座A*天の川銀河の中心にあるブラックホールに対応する。いて座A*周囲では回転するガス円盤と落ちつつあるガスによる渦状の天体(いて座A*ないしミニスパイラルと呼ばれる)が電波や赤外線で観測されている。

2018年04月12日更新

関連画像

*いて座方向の広域の電波画像。中心に見える「?」を横倒しにしたような構造がいて座A(電波アークおよびアーチ状フィラメントを含む)。国立天文台野辺山45m望遠鏡による10GHz連続波の電波画像。色の違いは電波強度の違いを示す。画像出典:http://milkyway.sci.kagoshima-u.ac.jp/~handa/gallery/GC10GHzDim.gif(鹿児島大学 半田利弘)
*天の川銀河の中心とその周囲の様子。赤黄系の着色がなされているのは米国立天文台VLAによる波長90cmの電波画像。その中に黒から赤までで着色された画像はVLAによる波長20cmの電波画像。図の上が赤道座標での北で、銀河面は傾き60°ほどで左上から右下に走っている。それぞれ、色の違いは電波強度の違いを示す。画像出典:LaRosa et al. (2000) Astron. J. 119, 207およびNRAO/AUI