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シュミット則

 

よみ方

しゅみっとそく

英 語

Schmidt's law

説 明

星間物質の平均密度とそこでの星形成率(星生成率ともいう)とのあいだにべき乗則が成り立つとする法則。観測による裏付けをケニカットが示してからはケニカット・シュミット則ともいうようになった。もともとは、星間物質が自発的に収縮して星形成が起こるならべきは1に、星間物質の衝突によって起こるならばべきは2になるはずで、実際にはその中間の値となることが予想されていた。観測の都合から、銀河面に対して垂直方向に積分した値同士の関係として記述することが多い。多数の銀河に対する観測結果から、星形成率は星間物質の柱密度の1.4乗に比例して増えるとするのが標準的である。ただし、なぜ多数の銀河で共通して1.4乗のべき乗則が成り立つのかについては、まだよくわかっていない。

2018年09月16日更新

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    *多数の銀河の各部分に於けるガスの表面密度と星生成率との関係。このように両対数のグラフで直線となり、べき指数n=1.4のべき乗則で表されることが観測的にもわかっている。
    辻本拓司「銀河系の化学進化 」、シリーズ現代の天文学第5巻、祖父江・有本・家編『銀河II』第2版 4.4節 図4.15(日本評論社) (原図はKennicutt 1998, Astrophys. J. 498, 541)