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ザックス-ボルフェ効果

 

よみ方

ざっくすぼるふぇこうか

英 語

Sachs-Wolfe effect

説 明

遠方宇宙からやってくる光は、宇宙膨張によって赤方偏移して観測される。一様等方宇宙では赤方偏移と距離の関係が1対1であるが、実際の非一様宇宙では必ずしもそうではない。特に重力ポテンシャルの時間的空間的変化によって生じる赤方偏移への影響をザックス-ボルフェ効果と呼ぶ。
ザックス-ボルフェ効果(SW効果)には2種類ある。通常ザックス-ボルフェ効果と呼ばれるものは光の放出場所における重力ポテンシャルの値と、観測地点における重力ポテンシャルの値の差によって生じる効果である。同じ距離からやってくる光でも観測地点に比べて重力ポテンシャルの低い場所からやってくる光は、そうでない光に比べて相対的に赤方偏移が大きくなる。もう1種類は、光の伝播途中での重力ポテンシャルによって生じる効果で、積分ザックス-ボルフェ効果(ISW効果)と呼ぶ。これは重力ポテンシャルが時間変化している場合にのみ効果を及ぼす。なぜなら、時間的に一定の重力ポテンシャルの山、あるいは谷を光が通過すると、赤方偏移の効果と青方偏移の効果がちょうど打ち消し合ってしまうからである。
ザックス-ボルフェ効果が顕著に現れるのは、宇宙マイクロ波背景放射温度ゆらぎの観測においてである。大角度に対応する温度ゆらぎは、通常のザックス-ボルフェ効果によって支配されている。加速宇宙では、積分ザックス-ボルフェ効果も小角度に対応する温度ゆらぎに一定の寄与をしている。ただし小角度になればなるほど、他の要因による温度ゆらぎも大きくなっている。

2018年03月11日更新

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