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視線速度

高

よみ方

しせんそくど

英 語

radial velocity

説 明

天体の空間運動速度の視線方向成分。ドップラー効果によるスペクトル線のずれから測定できる。観測者から遠ざかる向きを正(赤方偏移)、近づく向きを負(青方偏移)と定義する。天の川銀河銀河系)内の恒星に対しては地球の公転運動の補正を行う。銀河の視線速度に対しては、銀河系の回転と局所銀河群中での銀河系の運動の補正を行う。
銀河の赤方偏移から求められる視線速度は大部分が宇宙膨張に起因する見かけ上の速度で、それに比べると、銀河の空間運動速度に起因する成分は近傍の銀河以外では無視できるくらい小さい。

2019年10月02日更新

関連画像

* 星の空間速度、視線速度、接線速度、固有運動の説明図。
郷田直輝「宇宙における距離の測定」、シリーズ現代の天文学第1巻、岡村・池内・海部・永原編『人類の住む宇宙』第2版 2.4節 図2.14(日本評論社)
* 恒星に対する基本的な観測量の概念図 (作成 岡村定矩)