天文学辞典 :ASJ glossary of astronomy | 天文、宇宙、天体に関する用語を3200語以上収録。専門家がわかりやすく解説します。(すべて無料)

New

R型星

 

よみ方

あーるがたせい

英 語

R-type star

説 明

ハーバード分類で化学組成の違いに対応する系列の低温度星。N型と共にC型(炭素型)と呼ばれる。CとOの原子数の比C/Oは太陽では∼0.5であるが、C型はC/O>1であるような低温の星である。漸近巨星分枝進化でヘリウム殻フラッシュを繰り返し、その都度、表面対流層が内部に侵入して炭素を表面まで運び上げたと考えられる。C2、CN、CH分子による吸収が強く、特にこれらの炭素化合物は短波長側で光を良く吸収するために、C型星は非常に赤くなる。R型星は表面温度がN型星よりも高い。1868年にセッキ(A. Secchi)により発見された。

スペクトル型(星の)を参照。

2023年04月18日更新

この用語の改善に向けてご意見をお寄せください。

受信確認メール以外、個別のお返事は原則いたしませんのでご了解ください。

    関連画像

    画像をクリックすると拡大されます

    星のさまざまなスペクトル型。(粟野諭美・田島由起子・田鍋和仁・乗本祐慈・福江 純 共著『マルチメディア 宇宙スペクトル博物館<可視光編>天空からの虹色の便り』裳華房より引用)。
    https://www.shokabo.co.jp/sp_opt/star/list/csp_s.jpg
    * ハーバード分類の系列。安藤裕康「星の明るさと色」、シリーズ現代天文学第7巻、野本・定金・佐藤編『恒星』1.1節 図1.1(日本評論社)を改変。
    炭素星のスペクトル。縦軸フラックス、横軸波長。数多くの炭素に関連した分子の吸収線がみえる。(A. Lançon - M. Mouhcine 2002, A&A 393, 167より引用)。
    https://www.aanda.org/articles/aa/full/2002/37/aah2949/img32.gif