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クインテッセンス

 

よみ方

くいんてっせんす

英 語

quintessence

説 明

地上の万物は火・空気・水・土の四元素からなるという, 古代ギリシャのアリストテレス(Aristotle)の四元素説に追加される「第五元素」になぞらえて, 宇宙の構成要素としてバリオン光子ニュートリノダークマターに次ぐ第五番目の要素としてダークエネルギーの役割を果たすスカラー場のことをいう。このスカラー場はポテンシャルに安定な最小点を持たず、場の期待値が時間変化し続ける性質を持つため遁走型ポテンシャルと呼ばれる。これはスタインハート(P. Steinhardt)の命名によるが、彼らはこのような場があると、宇宙初期にはこの場のエネルギーは当時の主要成分である放射のエネルギー密度と一定の比を保ったまま減少し(このことをトラッカー解に従う、という)、物質優勢期になるとその相対的な比率が徐々に増して現在までに優勢になり、特殊な初期条件を取らずとも一般的に、現在の加速膨張が説明できる、と主張した。しかし、ポテンシャルの形状自体には相当の微調整が必要である。この考えが正しければ、ダークエネルギーの状態方程式パラメータ(圧力とエネルギー密度の比)は、-0.7程度になるはずであるが、現在の観測によると-1.0に十分近いため、この考え方はすでに棄却されているといってよい。一方ダークエネルギーが時間変化しないスカラー場のポテンシャルによって占められているという可能性自体は依然として残っている。

2018年04月20日更新

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