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パルサー

中

よみ方

ぱるさー

英 語

pulsar

説 明

強い磁場を持ち回転する中性子星。回転軸に対して磁軸が傾いているため、中性子星の自転に同期して周期的な電磁放射が観測される(灯台モデル, 模式図を参照)。放射は電波からガンマ線に至る幅広い波長帯域で観測されている。

単独の中性子星はいわば強力な発電機であり、その強磁場(典型値\sim10^8テスラ(=10^{12}ガウス))と高速回転 (周期の典型値\sim0.1-10秒)により、非常に大きな起電力が誘起される (単極誘導)。この強い起電力によりパルサーの周囲のプラズマが加速され、電磁カスケードを起こすことにより磁気圏を形成する。磁気圏のプラズマの一部は、光速に近い速度のパルサー風として放出される。粒子加速や電磁カスケードの過程は電磁波の放射を伴い、自転と同期したパルスとして観測される。このような放射を示す中性子星はエネルギー源が自転にあるため、回転駆動型パルサーと呼ばれる。特に電波でよく見つかることから、電波パルサーとも呼ばれる。回転周期が0.1秒程度の短い天体は、X線ガンマ線などの高エネルギー帯域のパルス放射も観測されることがある。電波パルサーにはミリ秒パルサーも含まれる。

一方で連星系をなして伴星から質量降着がある中性子星は、降着する物質の重力エネルギーをエネルギー源として輝く(連星パルサー)。特に磁場が強い場合には磁極へ質量降着することでパルス放射が観測され、降着駆動型パルサーと呼ばれる。X線パルサーの一部がこれに対応する。
また、磁場が強く、その磁場をエネルギー源とするパルサーは、磁気駆動型パルサーもしくはマグネターと呼ばれる。パルサー星雲も参照。

2019年08月07日更新

関連画像

パルサーの模式図(宇宙航空研究開発機構・宇宙科学研究所)
かに星雲のX線画像。中心付近のパルサーを取り巻くパルサー星雲が周囲に広がっている。(http://chandra.harvard.edu/photo/2014/15year/more.html)