天文学辞典 | 天文用語をわかりやすく解説

歳差

高

よみ方

さいさ

英 語

precession

説 明

南北に扁平な回転楕円体に近い形状をしている地球に対し、黄道面近くにある太陽から引力が及ぼされると、地球の重心に対する力との差分(潮汐力)が偶力となって自転軸を起こそうというトルクが働く。すると、あたかも回転するコマが首を振るように、回転する地球も徐々にその向きを変えていく。この首振り運動を歳差と章動と呼ぶ。歳差はこの運動の永年項、章動は周期項である。前者はより厳密には赤道の歳差と呼び、地球の自転軸が黄道の極に対して約23.4°傾いたまま、自転とは逆向きに周期約26,000年で回転する。
一方、黄道面に対してさまざまな傾きを持つ惑星からの引力により黄道面そのものも変動する。この現象は黄道の歳差と呼ばれる。黄道の歳差では黄道傾斜角も変化する。
赤道の歳差と黄道の歳差を合わせたものを一般歳差と呼ぶ。

2018年05月09日更新

関連画像

歳差1
*地球の自転軸に働くトルクと歳差運動。
片山真人「天体位置の表現」、シリーズ現代の天文学第13巻、福島登志夫編『天体の位置と運動[第2版]』2章 図2.10(日本評論社)
歳差2
*歳差運動によって天の北極が移動する。破線が天の北極の軌跡。
片山真人「天体位置の表現」、シリーズ現代の天文学第13巻、福島登志夫編『天体の位置と運動[第2版]』2章 図2.11(日本評論社)
歳差3
*赤道の歳差と黄道の歳差の概念図。
片山真人「天体位置の表現」、シリーズ現代の天文学第13巻、福島登志夫編『天体の位置と運動[第2版]』2章 図2.12(日本評論社)