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北極星

小

よみ方

ほっきょくせい

英 語

Polaris

説 明

天の北極(地球の自転軸を北極側に伸ばして天球と交わる点;赤道座標系参照)の近くに位置している明るい星(こぐま座\alpha星: 2等星)。日周運動でほとんど動かず、北の空の星は北極星の周りを東から西に回転しているように見える(周極星)。実際には天の北極から1度弱離れたところにあるので、北極星も日周運動で天の北極の周りに半径約0.75度の円を描いている。
北極星を見つける方法として、北斗七星を用いるものとカシオペヤ座を用いるものが広く知られている。その方法と、関連する星のデータを図と表に示す。
天の北極は歳差のために、北黄極(黄道の北極; 黄道座標系参照)の周りを半径23.4度、周期約26000年で周回するので、現在(21世紀初頭)では天の北極の近くにこぐま座\alpha星があるが、時とともに天の北極はこぐま座\alpha星から離れて行き、約12000年後にはベガ(こと座\alpha星: \alpha Lyr)が天の北極に近くなる。またエジプトでピラミッドが作られた時代も天の北極はこぐま座\alpha星からはだいぶずれていた。古代エジプトではピラミッドの一辺を真北に向けるために二つの星(北斗七星のミザールとこぐま座のコカブ)を利用したと推定されている。その方法では歳差の影響で測定した真北の方位が正しい真北からずれてゆく。そのずれが建設年代の異なるピラミッドの方位と一致していることが根拠となっている。

2019年03月04日更新

関連画像

* 北極星の見つけ方
* 北極星とその見つけ方に関わる星のデータ
出典: 中村士、岡村定矩著『宇宙観5000年史』(東京大学出版会)