天文学辞典 :ASJ glossary of astronomy | 天文、宇宙、天体に関する用語を3200語以上収録。専門家がわかりやすく解説します。(すべて無料)

New

惑星状星雲

高

よみ方

わくせいじょうせいうん

英 語

planetary nebula

説 明

中小質量星が進化の結果赤色巨星となりその最終段階で噴き出した外層が、高温の中心星からの紫外線で電離されて光って見えるもの。この名前の由来は、小さな望遠鏡を使って肉眼で観測していた頃に惑星のように見えていたことの名残であり、惑星とは何の関係もない。外層の噴出は千変万化で間欠的に起こるものもあり、ハッブル宇宙望遠鏡による高分解能写真ではその多様な姿がよくわかる。スペクトルには連続光はほとんど見られず輝線のみである。最終的には中心星は白色矮星となり、冷えてゆく過程でガスも光らなくなり惑星状星雲は見えなくなる。
惑星状星雲の最も明るいものの光度はほぼ一定であることが知られているので、銀河に含まれる多数の惑星状星雲の光度関数から銀河の距離を推定することができる。

ジェイムズウェッブ宇宙望遠鏡で観測した環状星雲M57
(credit: Roger Wesson, Cardiff University)

https://www.youtube.com/embed/78sjkGypk20?si=cS9nFMwOkS4kkdgI

2023年09月11日更新

この用語の改善に向けてご意見をお寄せください。

受信確認メール以外、個別のお返事は原則いたしませんのでご了解ください。

    関連画像

    画像をクリックすると拡大されます

    惑星状星雲M57(環状星雲)(すばる望遠鏡による)
    https://www.subarutelescope.org/Pressrelease/1999/09/16a/M57_ha.jpg
    ハロー惑星状星雲BoBn1のスペクトル
    https://prc.nao.ac.jp/extra/uos/ja/no16/
    さまざまな惑星状星雲(ハッブル宇宙望遠鏡による)
    http://hubble.stsci.edu/gallery/album/nebula/planetary/+1
    さまざまな惑星状星雲(ハッブル宇宙望遠鏡による)
    http://hubble.stsci.edu/gallery/album/nebula/planetary/+2
    美しい惑星状星雲。見かけの形からキャッツ・アイ星雲(Cat's Eye Nebula)と呼ばれている。
    (クレジット: NASA, ESA, HEIC, and The Hubble Heritage Team (STScI/AURA)) https://www.nasa.gov/multimedia/imagegallery/image_feature_211.html
    Image 11 of 11