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光子指数

 

よみ方

こうししすう

英 語

photon index

説 明

天体からの放射スペクトルエネルギー分布の形を特徴づける定数。 X線などの高エネルギー領域で用いられる。

たとえば活動銀河核のスペクトルエネルギー分布は周波数 $\nu$べき関数型スペクトルで近似できることが多い。 通常は、スペクトルエネルギー分布を単位周波数当たりのフラックス(放射エネルギー流束)$f_\nu$ で表して、それを周波数のべき関数 $f_\nu \propto \nu^{-\alpha}$ で近似し、(慣例的に$-$符号を省略して)$\alpha$スペクトルの形を特徴づける定数とみなし、スペクトル指数という。 光子指数を用いる場合は、$f_\nu$ の代わりに単位周波数当たりの光子の個数 $N\,(=f_\nu/E\propto{\nu}^{-\alpha-1})$ を用い、 それをエネルギーのべき $N(E)\propto{E}^{-\it \Gamma}$ で近似する。 この $\it \Gamma$ が光子指数である。 ここで、$E=h\nu$ はその周波数の光子1個のエネルギー、$h$プランク定数である。 両者は表現方法が違うだけであり、$\it \Gamma=\alpha$+1 という関係で結ばれている。ただし、 $f_\nu \propto \nu^{\alpha’}$ として $\alpha’$ をスペクトル指数として定義することもあるので注意が必要である。

2023年06月06日更新

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