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オリオンBN-KL天体

 

よみ方

おりおんびーえぬけーえるてんたい

英 語

Orion BN-KL Object

説 明

1965 年、エリック・ベックリン(Eric Becklin)とノイゲバウアーによりオリオン大星雲中に発見された波長 2μm の近赤外線で明るく輝く点源(BN 天体)。
彼らは1967 年までに1.6μm から10μm までの測光を行い、温度が700K と普通の恒星よりも著しく低温の天体であることを明らかにした。また同1967 年、クラインマン(D.E. Kleinmann)とロウ(F.J. Low)は22μm の観測により、BN天体から20 秒角はなれた場所に、温度70K とさらに低温で太陽光度の10 万倍で明るく輝く赤外線星雲(KL 天体)を発見した。
可視光でなく赤外線で観測されたことはこれらの天体が分子雲内部に埋もれていることを意味している。
さらに、恒星よりも温度が低いことはこれらの天体が周囲の星間ダストを加熱しその熱放射を見ていることを示唆しており、まさにこの場所で恒星が生成されていることを表している。

2020年04月19日更新

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