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章動

 

よみ方

しょうどう

英 語

nutation

説 明

太陽は時々刻々と位置を変えていくので、地球自転軸は歳差のような大きな変動だけでなく、もっと短い周期で複雑な運動をしている。これが章動と呼ばれる運動で、平均の極の周りを振動するような現象である。18世紀のイギリスの天文学者ブラッドレー(J. Bradley)により発見された。 章動で最も大きな成分は振幅が約 9"(これを章動定数と呼ぶ)で周期18.6年のものである。これは月の軌道面と黄道の交点である平均昇交点が18.6年で黄道を1周し、周期的に引力を変化させることにより生じている。 章動は、黄道に平行な方向に働く、黄経における章動(\Delta \psi)と、垂直な方向に働く、黄道傾斜における章動(\Delta \varepsilon)の2つに分けることができる。歳差だけでなく、章動まで考慮した春分点天の赤道および極をそれぞれ、真春分点、真赤道、天文中間極(以前は暦表極と呼ばれていた)と呼び、この座標系における天体の位置を視位置と呼ぶ。

2018年09月17日更新

関連画像

章動
* 黄経における章動と黄道傾斜における章動の概念図
片山真人「天体位置の表現」、シリーズ現代の天文学第13巻、福島登志夫編『天体の位置と運動』第2版 2章 図2.13 (日本評論社)