天文学辞典 | 天文用語をわかりやすく解説

小

よみ方

つき

英 語

Moon

説 明

月は地球を周回する衛星である。平均距離は38万 kmで、これは地球の重力圏の半径(ヒル半径)の約4分の1、太陽までの距離の400分の1である。月の半径は1738 km、扁平率は1/776で地球よりも球に近い。質量は7.34\times 10^{22}\,{\rm kg}で地球の0.0123倍である。平均密度は3344\,{\rm kg\,m}^{-3}で他の地球型惑星よりも低く、金属中心核の重量比が10%よりも小さいと推測されている。
天球上での視直径は、月は太陽と並んで大きい。平均視直径は月は31分5秒で太陽の31分59秒より小さいが、月は地球の周囲を楕円軌道を描くために視直径の変動は大きく、最大視直径、最小視直径はそれぞれ33分32秒、29分28秒になる。そのため、月が太陽を隠す皆既日食も、リング状に太陽が残る金環日食も起きることになる。
月は地球との潮汐力のために、常に同じ面(表)を向けて公転している。自転周期と公転周期が同期している。楕円軌道のため、見かけの秤動が起きるため地球から観測できる表面は50%を越える。しかし、裏側の大部分は探査機による観測により初めて明らかにされた。月の表側は、と呼ばれる玄武岩が衝突盆地に噴出して埋めた暗色の地域が多い。一方で、月の裏側には海は少なく、斜長岩を主成分とする高地が広がっている。高地の表面は衝突クレーターで覆われており年代は38億年より古い。高地の衝突クレーターや海の衝突盆地が形成された激しい衝突の時期を隕石重爆撃期と呼ぶ。一方、海の火山活動は35-40億年前が活動のピークであるが、表側で13億年前、裏側でも25億年前まで溶岩の噴出は続いた。
月の地殻の厚さは、アポロの着陸地点において、アポロの地震計データからは30-60 km、かぐや探査機の重力探査からは45 kmという値が得られている。表側と比較すると裏側の地殻は厚く100 kmを越えるところもある。南極エイトケン盆地内部でも25 km以上の厚さの地殻が存在する。表と裏側の地殻厚さの違いは、マグマオーシャンからの固化により斜長岩地殻が形成される段階で生まれたのか、その後の衝突過程や地質過程で生まれたのかはまだ解明されていない。アポロの月震計からは深さ900-1000 km程度のところに震源をもつ深発月震が地球との潮汐作用で発生することがわかった。それよりも内側の下部マントル、コアの領域は溶融している可能性がある。地震の反射波から中心核の大きさが同定されたという主張もあるが、月震データのノイズは大きく議論が分かれている。月の金属核が(存在しても)小さいこと、マグマオーシャンが生成されたことを、うまく説明できる月起源モデルが巨大衝突説である。アポロ計画マグマオーシャン仮説も参照。

2018年04月18日更新

関連画像

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