天文学辞典 | 天文用語をわかりやすく解説

水星

小

よみ方

すいせい

英 語

Mercury

説 明

太陽に最も近い内惑星。太陽からの平均距離は0.39天文単位。質量3.30\times 10^{23}\,{\rm kg}、赤道半径2440 kmはそれぞれ地球の0.0553倍、0.383倍である。太陽に近く、金星よりも小さいため、日の出直前、日没後の短時間にしか肉眼で観察することはできない。太陽との最大離角は28度である。自転周期は58.7日で公転周期88.0日の3分の2であり共鳴関係にある。太陽日(水星表面から見た太陽の運動間隔)は176日で、水星表面では昼、夜が長時間継続する。

水星の密度は5430\,{\rm kg\,m}^{-3}で、金星より高く地球の値に近い。金属核の割合が高く、天体質量の6割を占めている。金属核の半径は約1800 kmである。その外側に岩石質のマントル地殻が存在する。マリナー10号が、1974-75年にフライバイ観測を行い、表面の約4割の撮像を行うとともに、磁場を発見した。地球からのレーダー観測から流体核の存在が示唆されており、この磁場はダイナモによって維持されていると考えられる。水星表面は、衝突クレーターで覆われている。圧縮でできた、スカープ(scarp)と呼ばれる逆断層地形がある。初期の内部冷却に伴い、地殻が圧縮されたために形成されたと考えられる。

マリナー10号の観測の後、水星探査は空白の時代が続いたが、メッセンジャー探査機が、3回のフライバイ観測の後、2011年3月より水星周回軌道にはいり、2015年4月まで観測を行った。日欧共同のベッピコロンボ計画では、2機の探査機を2018年に打ち上げて、2024年より水星の観測を行う予定である。地球型惑星も参照。

2018年04月18日更新

関連画像

メッセンジャー探査機の撮像した水星。カロリス盆地周辺域の疑似カラー画像。(NASA)
圧縮で形成された逆断層地形スカープ。(NASA)