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多世界解釈

 

よみ方

たせかいかいしゃく

英 語

many worlds interpretation

説 明

エベレット(H. Everett III)により提唱された量子力学の観測問題の解釈の一つ。コペンハーゲン解釈では、観測を行うと観測値に波動関数が収縮する、としているが、多世界解釈では観測者も系の一部であり量子力学的に振舞う、と解釈する。そして量子力学的に可能な状態の数だけたくさんの“世界”が存在するとし、観測を行って観測量が測定されるごとにそれらの多数の“世界”の中から一つの“世界”が選び出され、そのような選択の連続によって、観測者の属す量子力学的状態が進化していくと考えるのである。宇宙の波動関数のように、観測者が別に存在しない系を考えるときにはコペンハーゲン解釈は適用できず、多世界解釈が用いられる。

2018年03月06日更新

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