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光度関数(銀河の)

 

よみ方

こうどかんすう(ぎんがの)

英 語

luminosity function(of galaxies)

説 明

どの明るさの銀河がどれだけの頻度で存在するかを表す関数。 光度 L から L+dL の範囲にある銀河の単位体積当たりの数密度 \varphi(L)dL で定義される。 光度には、(観測者が指定する)あるバンドにおける光度(正確には単位周波数当たりの光度)が用いられ、体積には共動体積が用いられる。 銀河の光度関数は、宇宙の中で多数の銀河が進化してきた様子や、領域ごとの銀河集団の性質の違いを考察する際に用いられることからもわかるように、銀河を集団として扱うための最も基本的な統計量である。 光度関数を求めるには、赤方偏移サーベイなどによって多数の銀河の距離と明るさを測る必要がある。 銀河全体の光度関数はシェヒター関数と呼ばれる関数でよく近似できる。 しかし、形態別の光度関数は銀河全体の光度関数とは異なっており、とりわけ、楕円銀河レンズ状銀河の光度関数はシェヒター関数のような単調な減少関数ではなく、ある光度で最大値を持つ釣鐘型をしている(図参照)。 光度関数は時間(赤方偏移)とともに変化することが知られている。これを光度関数の進化という。 光度関数はフィールド銀河団などの環境にも依存する。 光度関数をそのまま光度について積分すると銀河の数密度が得られ、 光度を掛けて積分すると光度密度が得られる。 光度関数に似た統計量として、質量関数や星生成率関数などがある。

2018年09月17日更新

関連画像

* (上)スローン・デジタルスカイサーベイのデータに基づいて得られた銀河の光度関数。曲線はシェヒター関数によるフィット。( 下)光度関数を求めるのに使った銀河の個数の絶対等級に対する ヒストグラム。
山田 亨「基本観測量」、シリーズ現代の天文学第4巻、谷口・岡村・祖父江編『銀河I』第2版 1.3節 図1.17(日本評論社)
(原図はBlanton et al. 2001, AJ, 121, 2358)
おとめ座銀河団の銀河の光度関数
* おとめ座銀河団の銀河の光度関数。横軸は銀河のBバンドでの絶対等級M、縦軸は単位体積当たりの銀河数φ(M)の対数(目盛りの絶対値は任意に設定されている)。全タイプを表す光度曲線はシェヒター関数で近似できる。
岡村・家・犬塚・小山・千葉・富阪編『天文学辞典』、シリーズ現代の天文学別巻(日本評論社)p.130(原図はBinggeli et al 1988, ARA&A 26, 509)。