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局所高温バブル

 

よみ方

きょくしょこうおんばぶる

英 語

Local Hot Bubble

説 明

太陽系を取り巻いて存在している半径100パーセク(100 pc=326光年)程度の大きさの高温低密度領域のこと。単に局所バブル(Local Bubble: LB)とも呼ばれる。軟X線の背景放射の観測からこの高温ガスの存在がわかった。その後、星間物質のあるところに普遍的に存在する中性ナトリウム原子の吸収線強度から、低温高密度の星間ガスの探査も行われ、局所高温バブルの周辺構造も詳しく調べられた。局所高温バブルの外側には高密度の中性水素原子ガスが壁状に分布しており、その壁が所々高温ガスで壊されトンネルとなって隣の高温バブルにつながっている。高温ガスの分布は、銀河面方向の最も狭いところでも半径50-100 pc程度はあり、広いところは半径200 pcにも及ぶ。銀河面に垂直な方向には煙突状のに広がっている。この近傍高温バブルは複数の超新星爆発により形成されたと考えられるため、スーパーバブルの一つの例だと思われている。

2018年09月19日更新

関連画像

太陽近傍500パーセク(1630光年)の空間内の星間物質の分布を銀河面に垂直方向(正面)から見た図。白い領域は(おそらく高温の電離水素ガス)で満たされたきわめて低密度の領域、黒い領域は低温で高密度のガス(もっとも黒い塊は分子雲)。太陽の周りの局所高温バブルは、たくさんの低温ガス塊に取り巻かれているが、この「壁」にはいくつかの場所に低密度の「星間トンネル」があり、プレアデスバブルやGSH238+00のような近隣のバブルにつながっている。
UC Berkelyの以下のプレスリリース資料にある図を改変
https://www.berkeley.edu/news/media/releases/2003/05/29_space.shtml
(原論文は R. Lallement et al. 2003, A&A, 411, 447)
局所高温バブルを銀河面方向から(横向きに)見た図。円筒形の「煙突」が、銀河面からハローの底部に広がっている。これらの煙突は、超新星爆発で作られた高エネルギー高温ガスの「排気口」の役割を果たす。
UC Berkelyの以下のプレスリリース資料にある図を改変
https://www.berkeley.edu/news/media/releases/2003/05/29_space.shtml
(原論文は R. Lallement et al. 2003, A&A, 411, 447)