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宇宙の大規模構造

高

よみ方

うちゅうのだいきぼこうぞう

英 語

large-scale structure of the universe

説 明

宇宙空間における銀河の分布には特徴的な疎密が見られる。大部分の銀河は、銀河密度の高いフィラメント状構造に属しており、フィラメントに囲まれるようにしてボイドと呼ばれる低密度の領域が存在する。フィラメントとボイドの連なる構造のことを宇宙の大規模構造という。
せっけんの泡がくっつきあっている様子に似ていることから、泡構造とも呼ばれる。一つの泡(ボイド)の大きさは数10メガパーセク(数10 Mpc=1億光年)にも及ぶ。フィラメントは、銀河群銀河団超銀河団などの大小さまざまな銀河集団で構成されている。大規模構造は、宇宙の誕生時に存在した微小な量子ゆらぎが、インフレーションによって空間的に何十桁も拡大し、その後の時間経過と共に大規模構造に成長していったと考えられている。なおインフレーション後にあった物質分布の揺らぎのみでは大規模構造はできず、冷たいダークマターの存在が大規模構造形成に大きな働きをした。インフレーション理論も参照。

2018年03月13日更新

関連画像

宇宙の大規模構造。スローン・デジタルスカイサーベイで得られた銀河の三次元分布を、銀河系を通るある平面で切った断面図である(厳密には断面ではなく,表示する銀河の数を確保するために奥行き方向にわずかな厚みをもたせてある)。
銀河系は図の中心にあり、一つの点は一つの銀河を表す。
銀河系から円の外周までの距離は約600メガパーセクである。断面全体にわたって大規模構造が見られる。データのない部分は、銀河系の円盤に邪魔されて観測できなかった天域である。なお、点の色は銀河の年齢を表し、赤いものほど古い。古い銀河ほど分布のコントラストが高いことが見て取れるが,これは銀河の環境効果の一つである。
http://www.sdss3.org/science/gallery_sdss_pie2.php