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カーブラックホール

 

よみ方

かーぶらっくほいーる

英 語

Kerr black hole

説 明

電荷を持たない回転するブラックホールで、その時空はアインシュタイン方程式の軸対称で定常、かつ漸近的に平坦な真空解で表される。回転の効果のため、地平線の外側にエルゴ領域という遠方の慣性系に対して静止できない領域ができる。この領域内には遠方の観測者から見て負のエネルギーを持つ粒子の軌道があり、ブラックホールの回転エネルギーを外部に取り出すことができ(エルゴ領域を参照)、クェーサー活動銀河核のエネルギー源として研究されている。電磁場まで含めたアインシュタイン-マクスウェル方程式系では、軸対称、定常、漸近的に平坦で事象の地平面の外側で特異点を持たない解は、質量、電荷、角運動量の3つのパラメータで完全に記述されるという「無毛定理」があり、カーブラックホールは、そのうちの質量と角運動量を持った解である。質量と電荷を持ったものを、ライスナー-ノルドストローム(Reissner-Nordstroem)ブラックホール、3つすべてのパラメータを持ったものは、カー-ニューマン(Kerr-Newman)ブラックホールという。

2018年03月31日更新

関連画像

(福江 純氏提供)
http://quasar.cc.osaka-kyoiku.ac.jp/~fukue/POPULAR/99ce/bh/which/kerr_n.htm