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ケルビン-ヘルムホルツ時間

 

よみ方

けるびんへるむほるつじかん

英 語

Kelvin-Helmholtz timescale

説 明

天体が電磁波(光子)を放射してエネルギーを失うために重力収縮する場合の収縮の時間スケールのこと。 天体が持っている熱エネルギーを放射により失う時間スケールである。 星などの通常の天体はその表面(光球面)温度に対応する黒体放射を放出するため、 エネルギー放出率(光度L)は光球面の温度と表面積がわかれば計算できる。 したがって、天体内の全熱エネルギーをこのエネルギー放出率で割ると、 ケルビン-ヘルムホルツ時間(t_{\rm KH})が計算できる。 なお、(準)平衡状態にある天体においてはビリアル定理により天体の全エネルギーと天体の重力エネルギーの絶対値は同じ程度の大きさであるため、通常は簡単に  t_{\rm KH}= \frac{GM^2}{RL} としてケルビン-ヘルムホルツ時間を定義する。 ここで、Gは万有引力定数、MRは天体の総質量、半径である。 HR図上の林トラック上に存在するTタウリ型星は重力収縮で解放されるエネルギーで輝いているため、 Tタウリ型星の寿命(滞在時間)はケルビン-ヘルムホルツ時間に対応している。 主系列星である太陽などの核反応エネルギーで輝いている星はケルビン-ヘルムホルツ時間よりもはるかに長い寿命をもつことになる。

2018年03月22日更新

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