天文学辞典 | 天文用語をわかりやすく解説

OH

 

よみ方

おーえいち

英 語

hydroxyl radical

説 明

水素原子1個が酸素原子1個と結合したヒドロキシ基(水酸基)に対応するラジカルであり、ヒドロキシルラジカルと呼ばれる。星間空間のOHは1963年に米国のワインレブ(S. Weinreb)らが発見した。OHの基底状態は不対電子の軌道角運動量と分子回転の相互作用によってエネルギー準位が2つに分裂する\Lambda型2重項と呼ばれる微細構造を持ち、さらにそれぞれのエネルギー準位が超微細構造で2つに分裂するので4つのエネルギー準位に分かれる。これらの準位間の遷移微細構造線超微細構造線)のうち4つが1.6~1.7 GHzの周波数帯にある。これらは波長では約18 cmである。また大質量星に付随する電離水素領域晩期型星ではメーザー現象を起こすこともある。

2018年09月05日更新

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*OHの基底状態(J=3/2)のエネルギー準位構造。OH分子のΛ型2重項は不対電子の電子分布と分子の回転方向が平行な場合とそうでない場合とでエネルギー準位が異なるために生じる。そのそれぞれが、量子数Fによる違いでエネルギー準位が僅かに異なる2つずつに分かれ、全体として4つの準位を持つ。
水野 亮「電波の放射機構」、シリーズ現代の天文学第16巻、中井・坪井・福井編『宇宙の観測II』2.2節 図2.25(日本評論社)