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ハッブル

高

よみ方

はっぶる

英 語

Hubble, Edwin

説 明

アメリカの天文学者(1889-1953)。銀河速度-距離関係を見つけて宇宙が膨張していることを実証した。アメリカのミズーリ州に生まれ、奨学金でイギリスに留学し、シカゴ大学ヤーキス天文台星雲の研究で学位をとった。スライファー(V. Slipher)が見つけた銀河の赤方偏移に注目し、ウィルソン山天文台でアンドロメダ銀河中などにセファイド変光星を発見して、周期-光度関係からその距離決定に成功した。さらに多くの銀河の赤方偏移と距離を測定して、遠い銀河までの距離と赤方偏移、すなわち、後退速度とが比例関係にあるという関係を1929年に発見した。これは宇宙が膨張していることを示すもので以来『ハッブルの法則』と呼ばれてきた。
ところが、この関係はベルギーの宇宙物理学者でカトリックの神父でもあるルメートルが1927年にベルギーの学術雑誌にフランス語で書いた論文にも記述されていたので、国際天文学連合(IAU)は2018年に、宇宙膨張を表す法則は今後『ハッブル-ルメートルの法則』と呼ぶことを推奨する」という決議を採択した。
この法則の比例定数はハッブル定数と呼ばれ、ハッブル自身も最初の数値を求めて以後、パロマー天文台も使って、改良に努めた。1953年の急逝によってハッブルの構想はサンデージに引き継がれた。1936年にエール大学出版会から出版された「The Realm of the Nebulae」は、初めての体系的な銀河の教科書として、銀河天文学のバイブルとも言える存在である。王立天文学会ゴールドメダル受賞。ハッブル宇宙望遠鏡(HST)はハッブルを記念して命名された。

2020年03月17日更新

関連画像

ハッブル
エドウィン・ハッブル
https://en.wikipedia.org/wiki/Edwin_Hubble
* エドウィン・ハッブル著「The Realm of the Nebulae」とその中にある速度-距離関係(ハッブル-ルメートルの法則)を表す図。右図で、遠方の銀河ほどH, K線が大きく赤い方にずれている(赤方偏移している)ことがわかる。(作成 岡村定矩)