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ホットジュピター

高

よみ方

ほっとじゅぴたー

英 語

hot Jupiter

説 明

太陽系外惑星のうち、質量は木星と同程度あり木星型惑星(巨大ガス惑星)と考えられるが、軌道長半径が約0.1 au以下(公転周期が約10日以下)という中心星に非常に近い軌道を持つもの。中心星からの加熱によって高温の表面を持つためホットジュピター、または灼熱巨大惑星と呼ばれる。最初に発見されたぺガスス座51番星もホットジュピターである。ホットジュピターは原始惑星系円盤の中の、約1 auよりも遠方の軌道で形成された後、中心星の近くまで移動したとする考えが有力である。大質量の惑星がガス円盤中で形成されると近傍のガスを跳ね飛ばして円盤中に溝を作る。ガス円盤自身は徐々に中心星に降着していく性質があるので惑星もそれに引きずられて中心星に近づいていくが、中心星のごく近傍では熱電離によりガス円盤に内縁があるなどの理由で落ち込みが止まる。そのようにして現在の軌道にまで運ばれたのがホットジュピターであると考えられている。ホットジュピターでは、熱せられた惑星からの大規模な大気散逸も観測されている。ホットジュピターのうち、特に周期が一日未満のものを超短周期惑星とも呼ぶ。

 

2020年08月12日更新

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    David Singらの研究グループの研究結果に基づいて描かれた10個のホットジュピターの想像図。それぞれの惑星の相対サイズは正しく描かれている。最も小さいHAT-P-12bが木星と同程度の大きさで、最も大きいWASP-17bは木星の約2倍である。
    Credit: NASA and ESA
    STScI-PRC15-44a
    https://hubblesite.org/contents/news-releases/2015/news-2015-44.html