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地平線(宇宙の)

高

よみ方

ちへいせん(うちゅうの)

英 語

horizon(cosmic)

説 明

地球上のある場所にとどまっている限り地平線の向こう側を見ることができないのと同様に、宇宙でもある距離以上の場所とは因果関係を持てない。これは、相対性理論の要請により光速以上で情報が空間中を伝わらないことに起因する。
因果関係を持てる範囲の境界となる球面を宇宙の地平線、または地平面という。ある任意の場所と時刻において、それより過去からの情報を得ることのできるその時刻の空間的範囲の境界を粒子的地平線という。宇宙の年齢は有限であるため、宇宙が始まってからある時刻までに光の到達できる距離が、その時刻の粒子的地平線の半径となる。現在の粒子的地平線の半径は共動距離にして約14ギガパーセク(14 Gpc=460億光年)である。
一方、ある任意の場所と時刻において、それより未来に情報を受け取ることのできるその時刻の空間的範囲の境界を事象的地平線という。減速膨張しつづける宇宙では、どのような遠方の情報でもいつかは届くため事象的地平線の半径は無限大になる。一方、指数関数的に加速膨張する宇宙では、十分遠方の情報が急激な膨張に阻まれていつまで経っても届かなくなり事象的地平線の半径が有限の値になる。

2018年04月20日更新

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