天文学辞典 | 天文用語をわかりやすく解説

高速度雲

 

よみ方

こうそくどうん

英 語

high velocity cloud

説 明

太陽系から観測される天の川銀河の中性水素原子ガス雲は、ほとんどが、円盤部が示す回転運動にしたがっているが、それから大きく外れた視線速度を示すものがある。これを高速度雲という。便宜上、銀河回転からの視線速度の差が50-90\,{\rm km\,s}^{-1}程度以上のものを指す。最も古くから知られている高速度雲にマゼラン雲流があり、これは大マゼラン雲小マゼラン雲天の川銀河の周囲を巡る際に潮汐力で引き出されたものとされている。それ以外の高速度雲の実体については長い間論争が続いていたが、近年の研究によって、天の川銀河に落下しつつある天体であると考えられるようになった。

2018年09月16日更新

関連画像

*高速度雲の天球分布。銀河座標に準拠した図で楕円の中心が銀河中心。大小マゼラン雲やマゼラン雲流も示してある。
沢 武文「マゼラン雲流、高速度雲」、シリーズ現代の天文学第5巻、祖父江・有本・家編『銀河II』第2版 7.5節 図7.13(日本評論社)
(CSIRO Australia)
http://www.atnf.csiro.au/people/Tobias.Westmeier/images/research/hvcsky/hi4pi_hvc_sky_nhi.png