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ホーキング放射

 

よみ方

ほーきんぐほうしゃ

英 語

Hawking radiation

説 明

ベッケンシュタイン(J. Bekenstein)の先駆的研究によってブラックホールは、その表面積に比例したエントロピーを持った熱力学的対象として扱われることが示唆された。1975年、ホーキング(S. Hawking)はシュバルツシルトブラックホール近傍の量子場を調べることによって実際にブラックホールがその質量に反比例した温度をもった黒体放射を出すことを示し、ブラックホールと熱力学の対応が確立された。この放射をホーキング放射と呼ぶ。またブラックホールがホーキング放射を出して質量を減らすことを、ブラックホールの蒸発という。
ホーキング放射の温度 T とシュバルツシルトブラックホールの質量 M の間には次の関係がある。
T=\frac{\hbar c^3}{8\pi k_{\rm B} GM} =6\times 10^{-8} \left( \frac {M}{M_{\odot}}\right)^{-1} \,{\rm [K]}
ここで \hbar=h/2\pihプランク定数)、c は光速度、 k_{\rm B}ボルツマン定数G は万有引力定数、M_{\odot} は太陽質量である。この式からわかるようにブラックホールが蒸発して質量が減少すると、ブラックホールの温度が上昇する。すなわち比熱が負となるが、これは重力熱力学に一般的なことである。

2018年04月23日更新

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