天文学辞典 | 天文用語をわかりやすく解説

温室効果

中

よみ方

おんしつこうか

英 語

greenhouse effect

説 明

大気を持つ惑星では、惑星表面からの熱放射が、大気圏外に到達する前に、大気中の物質に吸収・散乱され、エネルギー輸送が妨げられるため、大気内の温度が上昇する。これを温室効果という。ビニールやガラスで覆われた温室の中の温度が外部より高いことの連想からこの名前が付けられたが、実際の温室では、地表で温められた大気を閉じ込めるために気温が上昇するので、原理は異なる。地球では、大気は太陽放射のピークである可視光線をよく通すので、雲が存在しなければ太陽エネルギーは地表に到達する。地表の反射率に応じて吸収されたエネルギーは熱放射として放出される。これは波長10 μm あたりにピークがある赤外放射である。温室効果は、二酸化炭素、水蒸気、メタンなどの大気分子のほか、雲によってももたらされるが、これらは赤外放射を妨げる働きをする。
電波観測で明らかになった金星の高い表面温度を二酸化炭素大気の温室効果で説明したのは、セーガン(C. Sagan)である。大気の底の温度は730 Kに達する。金星への太陽光の80%は雲で反射され、さらに大気が厚いため表面に到達するのは2%ほどである。しかし、大気量が多いため赤外放射の散逸が妨げられ、表面温度は非常に高くなる。実際には、二酸化炭素のほか、水蒸気、二酸化硫黄、硫酸からなる雲も温室効果に寄与している。火星では、現在では大気が薄く温室効果はほとんど働いていないが、40億年前は二酸化炭素大気量が多く、温室効果により、液体の水が表面に存在可能であった(生命生存可能)と考えられる。

2018年10月02日更新

関連画像

温室効果の概念図
http://astrocampschool.org/greenhouse-effect/