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ゴースト

 

よみ方

ごーすと

英 語

ghost

説 明

光学系を構成する光学素子は完全ではないために、明るい光源(天体)からの光の意図しない反射などにより生じる偽物の像。透過素子であるレンズは、わずかであってもレンズ表面での反射が避けられない。反射した光は別のレンズや鏡などを屈折や反射して焦点面に到達し多種多様な像を生じる。フィルター表面や検出器表面での反射、反射ミラーによる散乱によっても同様のゴーストが見られる可能性がある。
サーベイ観測に用いられる広視野のシュミット望遠鏡による画像では、補正板フィルターなどによるさまざまなゴーストが見られる。すばる望遠鏡の主焦点におかれるシュプリームカム(Suprime-Cam)やハイパーシュプリームカム(HSC)では、写野補正光学系を構成する多数のレンズ面によるゴーストが発生する。ゴーストを抑える対策としては、減反射コーティングを施すことや、光学系の設計時にゴーストが焦点面に明確な像を結ばないように考慮することが挙げられる。

2019年06月12日更新

関連画像

* パロマーチャート(右図:青色バンド)に見られるシリウス(右上の黒い丸)のゴースト(左下)とゴーストの拡大図(左図)。このゴーストは大部分がシュミット補正板による反射光によるもので、光軸(写野中心)に関して星像と点対称の位置にできる。ゴーストの中心に見られる白く抜けた模様は写真乾板ホルダー、縦横に走る白い線は乾板ホルダーを支えるスパイダーなどによる模様である。パロマーチャートは東京大学理学部天文学教室蔵。(写真撮影:岡村定矩)
* 木曽シュミット望遠鏡に2K CCDカメラを付けてかみのけ座銀河団を長時間露光した画像からゴーストの影響を除去して淡い銀河間光の分布を描き出した例。
出典:S. Okamura, K. Nakajima, K. Shimasaku, T. Soyano, Y. Sarugaku, Y. Nakada, N. Itoh, S. Nishiura, poster presented at ESO Workshop on "Fornax, Virgo, Coma, et al.: Stellar systems in nearby high density environments", Garching, Germany, 27 June - 1 July 2011.