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ガリレオ衛星

中

よみ方

がりれおえいせい

英 語

Galilean satellites

説 明

木星の衛星のなかで、サイズが大きい、イオ、エウロパ、ガニメデ、カリストを指す。直径はそれぞれ、3632 km、3138 km、5262 km、4820 kmである。公転周期はそれぞれ、1.76日、3.55日、7.16日、16.7日である。イタリアのガリレオ(G. Galilei)が1610年に観測して記録したことからこの名前で呼ばれる。ドイツのマリウス(S. Marius)もほぼ同時に観測している。4衛星は木星の名前のものとなったジュピター(ゼウス)の愛人の名前をとってマリウスによって命名された。
イオは、ガリレオ衛星のなかでは木星に最も近い天体である。表面には氷はなく、平均密度は高い(3528\,{\rm kg\,m}^{-3})。硫黄や二酸化硫黄の激しい火山活動がボイジャー探査機により発見された。イオの軌道は、エウロパ、ガニメデの影響で円軌道から歪んでいるため、木星から大きな潮汐トルクを受ける。結果として内部に大きな潮汐加熱が発生する。火山活動で放出される単位面積あたりの熱流量は2\,{\rm W\,m}^{-2}で、地球の平均値の30倍である。イオの火山活動で放出された二酸化硫黄の一部は、イオの重力圏から脱出し、イオの軌道に沿って中性分子とイオンがトーラス状に分布するとともに、木星磁気圏の粒子源となっている。
エウロパは、表面は氷に覆われているが、高い平均密度(3010\,{\rm kg\,m}^{-3})から天体に占める氷(+水)の割合は10%ほどと見積もられている。表面の氷の層の内側には地下海があり、その下には岩石質のマントルがあると考えられている。表面の氷には割れ目構造や地下から液体が噴出したと思われる地形が多数存在している。赤外分光観測からは、水溶性の塩類のスペクトルが得られていて、塩分濃度の高い水の噴出がもたらしたものと考えられている。エウロパの地下海は、木星による潮汐加熱で維持されていると考えられている。地球外生命探査の有力な対象である。
ガニメデは、太陽系で最大の衛星である。氷に覆われていて、暗くてクレーターが多く古い地域と、明るくクレーターが少なく溝地形に覆われている地域に分かれる。ガニメデの溝地形は、伸張応力による正断層地形と考えられている。ガリレオ探査機の観測から、ガニメデには固有磁場が存在することが明らかになった。中心にはFe-FeS系の流体核、その周りに岩石質の層、さらに厚い氷の層が存在する。氷の層の中には地下海が存在する可能性がある。
カリストは、ガリレオ衛星のなかでは一番外側にある。太陽系の衛星では、ガニメデ、タイタンに次いで大きな天体である。表面の氷は衝突クレーターに覆われていて、エウロパ、ガニメデのような水平運動や噴出による地形は存在しない。バルハラ盆地と呼ばれる巨大衝突でできた直径2000 kmを超える多重リング地形がある。カリストの内部の大部分は未分化で、氷と岩石が混在していると考えられる。表面には数100 kmの氷の層があり、その下部は融けている可能性がある。

2018年10月07日更新

関連画像

ガリレオ衛星
ガリレオ衛星。左からイオ、エウロパ、ガニメデ、カリスト。(NASA)