天文学辞典 :ASJ glossary of astronomy | 天文、宇宙、天体に関する用語を3200語以上収録。専門家がわかりやすく解説します。(すべて無料)

New

初代星

 

よみ方

しょだいせい

英 語

first star

説 明

宇宙の進化の中で生まれた第一世代の星のこと。第一世代天体あるいは英語をそのまま用いてファーストスターともいう。

宇宙論的な密度ゆらぎの成長とともに主に水素分子の放射冷却により重力収縮して形成されたと考えられる。炭素より重い重元素を全く含まない星である。その質量は太陽質量よりもはるかに大きかったと予想されているため、超新星爆発などを通して、その後の銀河形成期の物質進化に大きな影響を与えたと考えられる。初代星およびそれらとほぼ同じ時期にできた星からなる銀河は原始銀河と呼ばれることもある。

なお、天文学では歴史的に、銀河円盤に多く見られる、若い星を種族I(Pop I)の星と呼び、球状星団の星などの古い星を種族II(Pop II)の星と呼ぶ。そのため、初代星は最も古い第一世代の星であるが、種族III(Pop III)と呼ぶことになった。Popは種族を表す英語のPopulationの略である。種族(星の)も参照。

2024年03月06日更新

この用語の改善に向けてご意見をお寄せください。

受信確認メール以外、個別のお返事は原則いたしませんのでご了解ください。

    関連画像

    画像をクリックすると拡大されます