天文学辞典 | 天文用語をわかりやすく解説

エンケの間隙

 

よみ方

えんけのかんげき

英 語

Encke gap

説 明

土星リングの主要リング(A, B, Cリング)のうち一番外側のAリング中にある、幅約325 kmの溝状の構造。溝中に軌道をもつ小衛星パンが、周囲のリング粒子を重力作用により跳ね飛ばすことによって、この構造を形成維持している。カッシーニ探査機はエンケの間隙とパンの詳細な観測を行い、パンがエンケの間隙の縁に作る詳細な波状の構造を明らかにした。Aリングのエンケの間隙近傍の領域には、Aリングの外側の軌道を回る衛星の重力作用によって生成される密度波が数多く観測されている。エンケの間隙には物質がまったく存在しないわけではなく、小粒子からなる薄いリングが間隙中に観測されている。エンケの間隙と同様の機構により形成された溝構造として、同じく土星Aリング中のキーラーの間隙がある。これは幅約42 kmの溝で、小衛星ダフニスによって維持されていることがカッシーニ探査機の観測によって明らかにされた。カッシーニの間隙も参照。

2018年03月20日更新

関連画像

土星のAリング中に作られたエンケの間隙と衛星パン。カッシーニ探査機が2006年に撮影。(NASA)
https://photojournal.jpl.nasa.gov/catalog/PIA08317
https://saturn.jpl.nasa.gov/resources/4111/(NASA)

https://www.nasa.gov/mission_pages/cassini/multimedia/conf0701-pia06099.html (NASA)