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電気四重極子放射

 

よみ方

でんきしじゅうきょくしほうしゃ

英 語

electric quadrupole radiation

説 明

水素分子(H_{2})のような電気双極子モーメントを持たない分子であっても、電子の分布は非球対称なので、質量中心周りの回転に対して電子分布の形は変化する。水素分子のように電子分布が左右対称ならば、1/2回転ごとに元に戻り、1/4回転ごとに違いが最大になる。これを、電気四重極子モーメントという。この場合、分子が回転すれば、電荷分布が変動するため電磁波を放射する。これを電気四重極子放射という。一般には双極子モーメントに比べて四重極モーメントの方がずっと小さく、弱い電磁波しか放射できない。量子力学的には遷移確率が低いことに対応する。水素分子の場合は、電気四重極放射は極めて弱く検出は困難である。なお、近赤外線から中間赤外線領域において放射される輝線は電気四重極子放射と、原子間距離が変わる振動を伴った振動回転遷移の2種類がある。

2018年03月26日更新

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