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バービッジ, マーガレット

 

よみ方

ばーびっじ,まーがれっと

英 語

Eleanor Margaret Burbidge

説 明

マーガレット・バービッジ(E.Margaret Burbidge 1919- 2020)はイギリス生まれのアメリカの天体物理学者。イギリスの大学を卒業した後、アメリカの大型望遠鏡で分光観測をする研究を望んだが、当時の女性差別的伝統のために実現できず、1943年にロンドン大学で学位を取得した。1951年に初めて渡米、ヤーキス天文台で主に星の元素組成を研究した。その後イギリスに戻り、夫である天体物理学者のジェフリー・バービッジファウラーホイルと共同研究を行ない、ほとんどの化学元素は星の中の原子核反応で生成されるという仮説を述べた、有名なB2FH論文を1957年に発表した。1972-73年、グリニッジ王立天文台長を務め、1972年にアメリカ天文学会からアニー・キャノン賞、1984年にはラッセル賞を授与された(アニー・キャノン賞は辞退している)。1976年にはアメリカ天文学会長に就任、翌年米国市民権を得た。1977-88年の間、カリフォルニア大学サンディエゴ校の天文・宇宙科学センターの初代所長も歴任している。2020年4月5日、転倒からの合併症により、カリフォルニア州サンフランシスコの自宅で死去、満100歳であった。

 

ネイチャーによる追悼記事:https://www.nature.com/articles/d41586-020-01224-9

2021年01月26日更新

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    マーガレット・バービッジ 
    クレジット: Emilio Segre Visual Archives/American Institute of Physics/SPL