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エシェルスペクトル

 

よみ方

えしぇるすぺくとる

英 語

echelle spectrum

説 明

エシェル分光器によって得られるスペクトル、もしくはそのような配置をしたスペクトルのこと。エシェル分光器では、エシェル回折格子によって分散された高次回折光のスペクトルを、そのスペクトルの分散方向と垂直方向に、垂直分散素子(クロスディスパーザ)によって分解する。その結果、いくつもの帯状の高分散スペクトルが分散方向と垂直方向に並ぶようなスペクトル画像を得ることができ、高い波長分解能で広い波長域のスペクトルを得ることができる。エシェルスペクトルでは、各次数のスペクトルの両端部分は隣り合う次数のスペクトルの端部分と一部が重なって映っている。

2018年08月27日更新

関連画像

岡山天体物理観測所の高分散エシェル分光器HIDESで得られたエシェルスペクトル。いくつもの次数の異なるスペクトルが縦に並んでいる。この写真では右下が最も波長が短く、上・左にいくに従って波長が長くなっている。(国立天文台)
リニア彗星の分光画像(すばる望遠鏡HDS)。横に並んでいるのが彗星のコマによる太陽の反射光のスペクトルで、そこに重なっている短い縦線が周囲の分子ガスからの輝線スペクトル。黒枠で囲ってある部分のスペクトルを取り出したのが右のグラフで、C2やNH2の分子の存在が明瞭に見て取れる。
https://prc.nao.ac.jp/extra/uos/ja/no02/