天文学辞典 :ASJ glossary of astronomy | 天文、宇宙、天体に関する用語を3200語以上収録。専門家がわかりやすく解説します。

New

準惑星

高

よみ方

じゅんわくせい

英 語

dwarf planet

説 明

2006年の国際天文学連合(IAU)の総会決議に基づく惑星の定義により、大きな天体ではあるが、軌道上を代表している天体でないものを準惑星と呼ぶことになった。
1. 太陽を周回し、
2. 十分大きな質量を持つために自己重力が固体に働く種々の力よりも勝る結果、重力平衡形状(ほぼ球状)を持ち、
3.その軌道近くから(衝突合体や重力散乱により)他の天体を排除した天体である、
というIAUによる惑星の定義のうち、3. を満たさない天体で、衛星でないものとして準惑星は定義されている。これまで、小惑星ケレス冥王星エリスのほかに、2つの大きな太陽系外縁天体マケマケ(2005 FY9)、ハウメア(2003 EL61)が準惑星として認められている。ハウメアは球からはずれた形状をしており、厳密には2. の条件を満たしていない。
小惑星ケレスが準惑星にも分類されることになったので、準惑星は異質の天体を含むことになった。日本学術会議では、物理学委員会傘下の「太陽系天体等の名称に関する検討小委員会」での審議に基づいて、学校教育現場における「準惑星」の分類名の使用を推奨していない。
2008年にオスロで開催された国際天文学連合の執行委員会で、太陽系外縁天体の中で準惑星の定義を満たすもの(冥王星、エリス、マケマケ、ハウメア)を冥王星型天体と呼ぶことが決まった。今後観測が進めば新たに冥王星型天体が見つかることも予想される。
日本学術会議対外報告
http://www.scj.go.jp/ja/info/kohyo/pdf/kohyo-20-t35-1.pdf (第一報告:2007年)
http://www.scj.go.jp/ja/info/kohyo/pdf/kohyo-20-t39-3.pdf (第二報告:2007年)
国立天文台アストロトピックス
http://www.nao.ac.jp/nao_topics/data/000304.html (2007年)
http://www.nao.ac.jp/nao_topics/data/000387.html (2008年)

2023年11月12日更新

この用語の改善に向けてご意見をお寄せください。

受信確認メール以外、個別のお返事は原則いたしませんのでご了解ください。

    関連画像

    画像をクリックすると拡大されます