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矮小銀河

高

よみ方

わいしょうぎんが

英 語

dwarf galaxy

説 明

サイズと質量が小さな銀河の総称。一般にUBV測光のBバンドでの絶対等級が-18等程度より暗いものをいう。 表面輝度も巨大銀河に比べて暗い。矮小銀河は、矮小楕円銀河(記号dE)、矮小楕円体銀河(記号dSph)、矮小不規則銀河(記号dIまたはdIrr)、青色コンパクト矮小銀河(記号BCD)、非常に暗い矮小銀河(記号UFD)に大別される。
矮小銀河は暗いので、その研究は局所銀河群中の矮小銀河から始まった。サンデイジを中心に行われた、ラスカンパナス天文台の2.5 m イレーネ・デュポン望遠鏡によるおとめ座銀河団の大規模写真サーベイ(ラスカンパナスサーベイ:1979-86)に基づく研究により、局所銀河群以外の矮小銀河研究の道が開かれた。カナダ-フランス-ハワイ望遠鏡を用いたCCDによるおとめ座銀河団サーベイ(次世代おとめ座銀河団サーベイNGVS:2012-)ではラスカンパナスサーベイで見つかったものよりずっと暗い矮小銀河が多数見つかっている。また、スローンデジタルスカイサーベイハイパーシュプリームカムによるサーベイでも多数の矮小銀河が見つかり、矮小銀河の研究は近年活発におこなわれている。

2019年12月17日更新

関連画像

すばる望遠鏡の広視野カメラで撮影された、矮小銀河の一つSextans A(ろくぶんぎ座A矮小不規則銀河)の画像。距離430万光年、大きさは直径約5,000光年。ダークマターを含む総質量はおよそ10億太陽質量、星や星間物質などの質量はその10%程度。
(クレジット:国立天文台ハワイ観測所)
https://www.subarutelescope.org/Science/press_release/2004/02/23/index.html
おとめ座銀河団の巨大銀河と矮小銀河(横線の間に微かに見える)。銀河の規模の違いがよく分かる。ラスカンパナスサーベイと同じ望遠鏡で撮影した写真乾板である。
出典: Ichikawa, Wakamatsu, Okamura 1986, ApJS, 60, 475
NGVSによる画像。丸印で矮小銀河が示してある。VCCと番号のついたものはラスカンパナスサーベイで検出された矮小銀河である。
出典: Ferrarese et al. 2012, ApJS, 200, 4
局所銀河群中の矮小銀河。銀河の質量(左下に記載)が10000倍以上も異なっている。
出典: Bullock & Boylan-Kolchin 2017,Ann. Rev. Astron. Astrophys, 55, 343