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直接撮像法

 

よみ方

ちょくせつさつぞうほう

英 語

direct-imaging method

説 明

太陽系外惑星の検出方法の一つ。惑星よりも数桁明るい恒星の光をマスクで覆い隠して恒星のすぐ近くにある暗い惑星を撮像観測または分光観測する。一般に、明るい天体のすぐ近くの暗い天体を観測可能にする技術を高コントラスト(あるいは高ダイナミック)技術と呼ぶ。この観測に用いられるステラーコロナグラフは、太陽コロナの観測で使用されるコロナグラフと原理は同じだが、点光源である恒星の光だけを隠して、そのすぐ近くにある極めて暗い惑星の撮像をするところにより多くの困難がある。リヨのコロナグラフは、焦点面に置かれた遮光マスクと瞳面に置かれたリヨストップから構成されるが、系外惑星探査の進展に伴って、多種多様なコロナグラフが提案されている。できるだけシャープな星像を得るために補償光学を並用して観測することが多い。また、コロナグラフや補償光学のようなハードウエアだけでなく、画像解析などソフトウエアによる高コントラスト技術も活用されている。直接撮像では、1度の観測だけでは惑星か背景の星か区別がつかないために、時間をおいて再度観測し惑星の公転運動を確認する、あるいは、分光して惑星と恒星を区別する必要がある。

恒星から100au以上離れた、あるいは褐色矮星まわりの巨大惑星候補は2004年頃から発見されていたが、太陽系の惑星の軌道距離くらい(100au未満)の巨大惑星の直接観測は2008年に成功した(HR8799、A型星)。

すばる望遠鏡における戦略枠プロジェクトSEEDSでは太陽型恒星まわりの「第二の木星」とも呼べる惑星の直接撮像など4つの系外惑星を直接撮像により発見した。

現在は、VLT、ジェミニ南、すばる、LBTなどの望遠鏡において超補償光学系を用いた直接観測が進みつつある。


すばる望遠鏡 SEEDS プロジェクト、「第二の木星」の直接撮影に成功

https://youtu.be/HpubN1gV9To

2020年08月12日更新

関連画像

恒星HR8799(距離129光年)の回りの3つの太陽系外惑星。2008年にはじめて直接撮像法で発見されたことが報じられたときの画像。
Credit&Copyright NRC HIA, IDPS, Keck Observatory
http://www.whillyard.com/science-pages/our-solar-system/images/hr-8799-keck.jpg
すばる望遠鏡の観測装置HiCIAOよる直接撮像法で2009年に発見された、太陽と同じG型のスペクトルを持つ恒星GJ758(距離50光年)を周回する惑星候補GJ758B。
クレジット:国立天文台
https://subarutelescope.org/old/Pressrelease/2009/12/03/j_index.html