天文学辞典 | 天文用語をわかりやすく解説

密度波

高

よみ方

みつどは

英 語

density wave

説 明

物質の粗密に対応する波。粗密波ともいう。天文学では、特に、渦巻銀河内での天体の粗密(渦巻腕)とそれに伴う重力ポテンシャルの波をいうことが多い。密度の高い領域に含まれる恒星が入れ替わらないならば、それは星団のように1つの実体を持つ天体と考えることができ、その全体の運動は構成要素である恒星の運動の平均値と一致する。しかし、分布している恒星と星間物質などの天体に粗密のパターンができ、それが伝わっていくならば、粗密パターンを構成する天体は同一である必要はなく、順次入れ替わっていてもよい。この場合、粗密パターンは構成天体の密度の違いを表す波と考えられ、その移動速度は一般に、構成天体の平均的な運動速度とは異なる。パターン速度密度波理論巻き込みの困難も参照。

2018年12月05日更新

関連画像

* 運動学的密度波。(a) 長軸が同じ方向を向いた楕円軌道上を運動する星が集まった銀河円盤のイメージ図。(b) 楕円軌道の長軸方向を内側のものから少しずつ反時計回りにシフトさせると軌道が密集した渦巻きパターン(密度波)が現れる。
土佐誠「銀河の渦状構造の理論:密度波理論」、シリーズ現代の天文学第5巻、祖父江・有本・家編『銀河II』第2版 9.1節 図9.1(日本評論社)
* 密度波と星形成。密度波に沿って圧縮されたガスの腕(黒実線)で星形成が始まるが、星が輝き出すまでに数百万年かかるので、パターンの角速度(Ω_p)よりガスの角速度(Ω)が大きいとパターンを追い越してから星ができ、ガスの腕と星の腕(灰色実線)の間にずれができる。
「銀河の渦状構造の理論:密度波理論」、シリーズ現代の天文学第5巻、祖父江・有本・家編『銀河II』第2版 9.1節 図9.4(日本評論社)