天文学辞典 | 天文用語をわかりやすく解説

かに星雲

高

よみ方

かにせいうん

英 語

Crab nebula

説 明

おうし座領域にある中心集中型の形状をした超新星残骸。名前の由来はかに座とは関係なく、その見た目からである。中国の記録『宋史』『天文志』や日本の藤原定家の日記『明月記』に記録があるため、1054年に出現した超新星(SN 1054)の残骸と考えられる。メシエカタログ1番(M1)、電波源のケンブリッジ第3カタログ144番(3C144)、NGC 1952、Sharpless 244など、多数のカタログに登録されている。

距離約2キロパーセク2\,{\rm kpc}=6500光年)にあり、半径は1.7パーセク(1.7\,{\rm pc}=6光年)程度、膨張速度は1500\,{\rm km\,s}^{-1}程度である。電波から高エネルギーガンマ線にわたってほぼ全ての波長帯の電磁波で観測される天体で、特に高エネルギーの非熱的放射は、中心にある「かにパルサー」によって駆動されたパルサー星雲によるものである。高エネルギー天体としては最も有名な天体の一つで、初めて観測された孤立した電波天体の一つであり、X線以上の高エネルギー放射の天体観測においては標準光源の一つとなっている。

2018年09月29日更新

関連画像

かに星雲(ハッブル宇宙望遠鏡)。
https://www.spacetelescope.org/images/heic0515a/