天文学辞典 | 天文用語をわかりやすく解説

宇宙の距離はしご

 

よみ方

うちゅうのきょりはしご

英 語

cosmological distance ladder

説 明

伝統的な天体の距離測定において、異なる手法を次々につないで遠方の距離を測る様子が、あたかも「はしご」をつないで高いところまで届く様子に似ていることからつけられた呼び名。最初のステップは、地球と太陽の間の平均距離(1天文単位 =1 au)の決定である。1 au はレーダーで惑星までの距離を直接測り天体力学を利用して決める。第2ステップでは、年周視差などの手法で、太陽近傍にある恒星の距離を決める。これを基にして、精度の高い1次距離指標と呼ばれるセファイドの距離を決め絶対等級を決める。第3ステップでは、セファイドを用いて、標準光源法により近傍の銀河までの距離を決める。第4ステップでは、距離の決められた近傍銀河を基準にして、距離指標関係式、惑星状星雲や球状星団の光度関数、銀河の面輝度ゆらぎなどを利用して遠方銀河の距離を決める。ヒッパルコス衛星により、セファイドの年周視差が直接測れるようになり、またスニヤエフ-ゼルドビッチ効果による距離測定など、従来の「距離はしご」の枠組みに収まらないさまざまな距離決定法が登場して、「距離はしご」そのものは近年少しずつ形を変えてきているが、重要な天文学の概念である。

2018年04月10日更新

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