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宇宙マイクロ波背景放射

高

よみ方

うちゅうまいくろははいけいほうしゃ

英 語

cosmic microwave background radiation

説 明

熱い火の玉状態であった初期宇宙からの光子が、宇宙膨張とともに温度を下げながら、マイクロ波の波長域にピークを持つ黒体放射として現在の宇宙を満たしている。この放射を宇宙マイクロ波背景放射と呼ぶ。3K放射あるいは英語名を略してCMB(シーエムビー)ということもある。ガモフ(G. Gamow)によって1946年に理論的に予言されていたが、1965年に米国ベル研究所のペンジアス(A. Penzias)とウィルソン(R.W. Wilson)によって偶然発見された。その後の観測、特にCOBE衛星による精密な観測により、CMBが温度2.725\pm 0.001\,{\rm K}の完璧な黒体放射であることが示された。これは温度にして約3000 Kの熱平衡状態にあった初期宇宙からの光に対応する。CMBには微小な温度ゆらぎがあることがCOBE衛星やWMAP衛星による観測によって確認されており、宇宙の構造形成の種であると考えられている。
2009年にESAが打ち上げたプランク衛星はそれまでにない高感度(10^{-6})と高い角分解能(5分以上)で2012年までCMBを精密測定した。
宇宙背景放射も参照。

2019年11月07日更新

関連画像

*宇宙進化のイメージ図。宇宙マイクロ波背景放射は、誕生後37万年の宇宙から我々に届く信号である。
https://map.gsfc.nasa.gov/media/060915/ の図に用語の和訳と補足説明を付けて作成(岡村定矩)
上から、ペンジアスとウィルソンが用いた電波望遠鏡とその望遠鏡が見たであろう宇宙マイクロ波背景放射(CMB)の地図、COBE衛星とCOBE衛星が見たCMBの地図、WMAP衛星とWMAP衛星が見たCMBの地図。右列の楕円は全天をモルワイデ図法で楕円に表したもので、色の違いがCMBの温度の違い(僅か約10万分の1以下)を表している。中央の水平な帯は天の川(銀河系)からの放射である。
https://map.gsfc.nasa.gov/m_ig/030644/030644.html
*COBE衛星(上)、WMAP衛星(中)、Planck衛星(下)が描いた宇宙マイクロ波背景放射(CMB)の強弱を表すスカイマップ。分解能は違うが大局的なパターンは同じであることがわかる。
佐藤勝彦「宇宙の誕生とその歴史」、シリーズ現代の天文学第1巻、岡村・池内・海部・永原編『人類の住む宇宙』第2版 2.1節 図2.7(口絵4)(日本評論社)