天文学辞典 | 天文用語をわかりやすく解説

銀河団

中

よみ方

ぎんがだん

英 語

cluster of galaxies

説 明

明るい銀河を100個程度以上含む銀河の集団。銀河以上の階層構造のうち自己重力系としては最大の構造。ただし、小規模な銀河団と大規模な銀河群との間に明確な境界はない。天の川銀河銀河系)から最も近い銀河団は、距離約18メガパーセク(18 Mpc=約5900万光年)にあるおとめ座銀河団である。矮小銀河まで含めると、1つの銀河団には典型的に千個以上の銀河が存在する。銀河や銀河群と同様、銀河団もその質量の大部分はダークマターが担っており、ダークマターの重力ポテンシャルによって数千万度以上のプラズマガスを閉じ込めている。銀河団を構成する物質の質量比は、ダークマターが約85%、プラズマガスが13%、星が2%である。銀河団の大きさは数Mpc、総質量は10^{14}-10^{15}M_{\odot}、内部の銀河の運動の速度分散は数百から1000\,{\rm km\,s}^{-1}である。たいていの銀河団はフィラメント状になった宇宙の大規模構造の最も密度の高い部分に存在する。複数の銀河団が連なって超銀河団を作っていることもある。銀河団という環境は、銀河密度が極めて高い点やプラズマガスが充満している点において、散在銀河で特徴づけられる宇宙の平均的な環境とは大きく異なっており、環境効果が最も顕著に現れる場所である。銀河団の中心領域は宇宙で最も銀河密度の高い場所であり、そこにある銀河は、形態-密度関係が示すように大部分が楕円銀河レンズ状銀河である。銀河団は宇宙自身と同程度の長い時間をかけて形成された。中心部にcD銀河がある銀河団や、中心部がX線でとりわけ明るい銀河団は、成熟した銀河団だと考えられる。

2018年08月16日更新

関連画像

かみのけ座銀河団の中心部の可視光画像。木曽観測所撮影。
中心にある明るい銀河はNGC4889、その右にある明るい銀河はNGC4874で、いずれも巨大楕円銀河である。これら以外の暗い天体も、広がりを持っているものはほとんどがかみのけ座銀河団の銀河である。
(クレジット:東京大学・木曽観測所)
http://www.ioa.s.u-tokyo.ac.jp/kisohp/IMAGES/pics/EXTRAGAL/a1656bvr.jpg