天文学辞典 | 天文、宇宙、天体に関する用語を3000語以上収録。専門家がわかりやすく解説します。

気候モデル

 

よみ方

きこうもでる

英 語

climate model

説 明

気候の構成要素である大気と海洋の中で起きるさまざまな事象を物理法則を基礎に定式化して, 気候を再現したり予測したりするコンピュータの中に作られた擬似的な地球のモデル(計算プログラム)。気候モデルでは、連続的に温度や密度などの性質が変化する大気や海洋を、細かな格子(ブロック)に分割し、その格子の中では状態(温度、密度、速度など)が一定と仮定して、一つの格子の状態が隣り合う格子にどのように影響するかを、微分方程式を用いて計算する。
かつては大気モデルと海洋モデルなど気候システムの要素ごとにモデルが作られていたが、コンピュータの発達により、 最近では大気と海洋を結びつけた大気海洋結合モデルが可能となった。気候モデルの精密化によって、地球温暖化が人為起源の現象であることがほぼ確実となり、将来にわたる温室効果ガスの排出量と気候の関連が一定の精度で予想できるようになった。IPCCの報告書は世界の研究機関における多数の気候モデルの予測に基づいている。

2019年10月08日更新

関連画像

* 自然影響のみでは観測されている急激な気温上昇を説明できず、人為影響を含めると説明できることを示す図。CMIPは気候モデルの名前。
住明正「地球温暖化」、シリーズ現代の天文学第1巻、岡村・池内・海部・永原編『人類の住む宇宙』第2版 6.5節 図6.39 (日本評論社)
(原図は IPCCの第5次報告書)