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クラスⅠ天体

 

よみ方

くらすいちてんたい

英 語

class I object

説 明

形成されて間もない若い天体を観測的に分類するための名称。
前主系列星の分類には、次式で定義される、波長2.2 μm と25 μmの赤外線波長域でのスペクトルの傾きを表す指標 \alpha が用いられる。
\alpha = \left\langle \frac{d \log\,(\lambda F_{\lambda})}{d \log \lambda} \right\rangle_{\lambda=2.2-25\,\mu {\rm m}}
ここで、F_\lambdaは天体の波長\lambdaで測った放射流束で、単位波長あたりの量である(長波長の端は25 μmではなく10 μmや12 μmが使われる場合もある)。
クラスⅠ天体は、横軸 \log \lambda、縦軸 \log\, (\lambda F_\lambda) のグラフで傾き\alphaが正で(\alpha>0)、スペクトルエネルギー分布が長波長側に向かって増加する。クラスⅠ天体は、原始星段階に対応する。赤外線のエネルギー超過は、星の周りのガスからの放射の寄与によるものである。Tタウリ型星と比較して分子雲コアに深く埋もれており星間減光A_{\rm V})が数10等以上, 物質降着が活発で、双極分子流などの質量放出現象も普遍的に見られる。クラスⅡ天体は、スペクトルエネルギー分布が平坦か、あるいは右肩下がり (-2<\alpha<0)であるが、 星自体の黒体放射に対して、明らかな赤外線超過が見られる。これはもっぱら星周円盤からの放射の寄与によるものである。このような星は、上記のTタウリ型星に対応する。スペクトルエネルギー分布がフラットなものはフラットスペクトルT タウリ型星とも呼ばれ、 クラスⅠ天体とクラスⅡ天体の中間的段階にあるものと考えられている。クラスⅢ天体は、スペクトルエネルギー分布が右肩下がり(\alpha<-2)で、 可視光から赤外線において、恒星の表面温度のプランクの法則で近似される。つまり、中心星の近傍にはあまり目立った星周構造は見られず、 弱輝線Tタウリ型星とも呼ばれる。クラス0天体も参照。

2020年03月11日更新

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