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色収差

高

よみ方

いろしゅうさ

英 語

chromatic aberration

説 明

レンズ光学系では、媒質の屈折率が色(光の波長)により一定でないことから、ザイデル収差の他に色収差が生じる。鏡のみの光学系には色収差は存在しない。色収差には軸上色収差(像位置色収差、縦色収差などともいう)と倍率色収差(横色収差ともいう)がある。
軸上色収差は光軸と平行に入射する光線に対して、光軸上でレンズの焦点位置(焦点距離)が色によって変わるために生じる。倍率色収差は光軸に対して傾いた入射光に対して、焦点の光軸からの位置(高さ)が色によって変わることによって生ずる。その結果、物体像の大きさ(倍率)が色によって変わるのでこの名前が付けられている。軸上色収差はレンズの前に絞りをおいて、レンズのF値を大きくすることで、焦点深度が深くなり、目立ちにくくすることができる。一方倍率色収差はレンズの中心を通る光線でも発生するので、絞りでは軽減できない。色消しレンズも参照。

2020年09月05日更新

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    * 色収差のイメージ図